Windows10が使われているパソコンの中で、一定の性能を満たしているものに対してはWindows11へのアップグレードが案内されています。
かなり積極的にすすめてくるし、無料で最新にできるならメリットではないか?と思ってしまいますが、少し待ってください。
Windows10と11には多くの違いがあり、手放しでアップグレードしてしまうとかえって作業効率が落ちてしまいます。
また、Windows11では使えないアプリや周辺機器はまだ多く、今までできていたことができなくなる恐れも。
Windows11へアップグレードするべき?という疑問に対して、待った方がいい理由を解説します。
Windows11へはアップグレードするべきではない!おすすめしません!
結論から申しますと、現在Windows10を使用しているパソコンではアップグレードをするべきではありません。
おすすめできない理由や「それではいつまで待つべき?」といった疑問にお答えしていきます。
Windows11へのアップグレードをおすすめしない3つの理由
詳しくはWindows11へアップグレードするデメリットと注意点を7つ解説しますでご説明していますが、Windows11へのアップグレードを待った方が良い理由をかいつまんで説明すると、以下の3点になります。
アプリや周辺機器が使えなくなる
Windows11に対応していないアプリや周辺機器は多く、下調べなしでアップグレードしてしまうと目的の作業ができないパソコンになってしまいます。
アプリや周辺機器のメーカーも2021年10月のWindows11正式リリースから対応をはじめているため、対応が間に合っていないというのが現状です。
(正確には以前からお試し用のベータ版という形でWindows11に触れることはできましたが、正式版との違いも多く、前もっての準備は難しかったようです)
Windows10で利用していたアプリや周辺機器が使えなくなってしまうのでは本末転倒ですね。
使いやすさが変わってしまう
Windows10と11では画面やメニューのデザインが大きく変わっており、使いづらさを感じるという意見が多くあがっています。
Microsoftとしては他社のMac OSやAndroidを参考に今風の使いやすさを追求しているとのことですが、今までのユーザーのことを考えずに「我々が良いと思ったデザインだから使え」という姿勢が強いため、新しいWindowsが出るたびに「使いづらい批判」が出るのはもはや恒例行事となっています。
Windows8ではスマートフォンを意識して「デスクトップが表示されない」という仕様にしたことがありますが、それに対して批判が殺到。結局はデスクトップを標準で表示するという大改修をおこなって元に戻したということもあります。
現在のWindows11のちょっと尖った使い勝手も、しばらくすると見直されるかもしれません。そこからWindows11を使いはじめても間に合うでしょう。
パソコンが不安定になったり動かなくなる
購入時にWindows10が入っていたパソコンは、パソコンメーカーとしてもWindows10に合わせたスペック(部品の性能や組み合わせ)で販売しています。
Windows11へのアップグレードはパソコンメーカーの立場では「想定外」の事態ですので、アップグレードによりパソコンが不安定になってしまうことも。
アップグレードはMicrosoftが提供している正式機能ですので、パソコンメーカーも修理やサポートに応じてくれることは多いです。
しかし、トラブル発生によってパソコンが使えなくなる期間が発生してしまう損失は避けたいところですね。
Windows11アップグレード後でも安心!10日以内ならWindos10に戻せる(ロールバック)
もしWindows10から11にアップグレードしてしまっても、10日以内なら設定アプリから簡単にWindows10に戻せます。
(ダウングレードやロールバックと呼ばれる作業です)
しかし、ロールバック後も一部のアプリや周辺機器のドライバが破損している場合があり、いくつかの再インストール作業が必要になることがあります。
パソコンの知識がないとこれらの復旧も難しいでしょうから、アップグレードは避けた方が無難ということになります。
ロールバックについては別の記事で詳しく解説しています。
Windows10は2025年10月14日まで使えるので焦らなくても良い
Windows11の登場により、Windows10のサポートに期限が設定されました。
Windows10のサポートが終了すると、セキュリティや不具合への対応がされなくなってしまいます。
特にセキュリティが低下しているパソコンを使うと、情報を盗まれるなど使用者自身の被害はもちろん、仕事上の信頼問題にも関わります。
ですので、どこかのタイミングでWindows11に切り替える必要がありますが、その期限は2025年10月14日とまだ余裕があります。
それまでに現在使っているパソコンが壊れればWindows11搭載のパソコンに買い替えれば良いことですし、2025年に入ってから切り替えを検討しても遅くありません。
その頃にはアプリや周辺機器の多くも対応が終わっていると考えられますので、上記の諸問題がクリアされた状態でWindows11を使えます。
Windows11標準搭載のパソコンを購入するのは問題なし?
アップグレードではなく、今からパソコンを購入するというときに、Windows11搭載のパソコンを選ぶというのはどうでしょうか?
先ほどあげた問題点のうち「パソコンが不安定になったり動かなくなる」はクリアしていますね。
「使いやすさが変わってしまう」点については、使用者側の受け入れの問題ですし、今からWindows11を勉強して慣れておくのも悪い選択ではありません。
しかし「アプリや周辺機器が使えなくなる」という大きな問題点が残っています。
プリンターなどの周辺機器やアプリがWindows11に対応していない可能性があるので、仕事などで使うのはやめたほうがいいというのが現状です。
Windows11へアップグレードするデメリットと注意点を7つ解説します
Windows11へアップグレードすることで起こるデメリットや、注意点を具体的に解説していきます。
インターネット上でもさまざまな意見が交わされていますが、主には以下の7つの要素に集約されるでしょう。
Windows11にアップグレードすると使えなくなる機能がある
Windows10から明確に削除されてしまった機能があります。
- Cortana
- 数式入力パネル
- マルチアプリキオスク
- ロック画面の簡易ステータス
- Snipping Tool
- Snip and Sketch
- タイムライン
- ウォレット
数式入力パネルや簡易ステータスは活用していた人も多いと思いますので、削除は残念ですね。
需要が多い機能については、今後Windows11向けにフリーソフトや有料アプリとして再登場する可能性に期待しましょう。
また、スタートメニューやタスクバーに表示して素早く使えていた機能の一部にも、設定不可になっているものがあります。
Windows11非対応のアプリが使えなくなる
アプリメーカーは2021年10月のWindows11正式リリースから自社アプリがWindows11で使えるかを確認し、使えなくなっている場合は修正するという作業を急ピッチで進めているところです。
場合によってはWindows11では絶対に動かせないと判断し、対応を諦めるアプリも出てくるでしょう。
仕事や勉強で使用する重要なアプリについては、Windows11への対応が完了しているかの確認は必須です。
今後発売されるアプリはWindows11対応が当たり前になっていきますので、それらが出揃ってからWindows11の導入を検討しましょう。
Windows10で変更したいくつかの設定が消えてしまう
Windows10からアップグレードするのだから、今まで変更した便利な設定は引き継がれるだろうと考える人も多いと思います。
しかし、Windows11にアップグレードすることでWindows10の多くの設定はリセットされ、最初から設定し直しになります。
特にWindows10のメニューやタスクバーの設定が引き継がれないため、Windows10で作り上げた使いやすいメニューが崩壊してしまいます。
また、OneDriveのバックアップ機能が有効に強制変更される点も、こだわり派の神経を逆撫でしています。
OneDriveはMicrosoftが提供するクラウドサービスで、クラウドにバックアップを取ること自体は便利な機能です。
しかし、無料で使用できる5GB上限の説明がほとんどされないため、5GBに達した時に急にエラーが表示され戸惑うユーザーが続出すると予想されています。
画面の見た目が変わって使いづらさを感じる
Windows11は以前のバージョンである7・8・10と比べて画面の見た目や操作感を大幅に変えており、使いづらさを感じるという意見が多いです。
- Windowsアイコンが中央に配置されている
- ファイルプロパティがアイコンでわかりづらい
- メニュー画面を変更できず、アプリの起動が面倒
- タスクバーからタスクマネージャーが起動できない
- タスクバーボタンが常に「結合」される
「変更点を覚えればいい」という意見もありますが、多くのユーザーは長年慣れ親しんだレイアウトで作業を最適化させていますので、こういった大幅な変更は効率低下のデメリットを感じる人の方が多いでしょう。
プリンターなどの周辺機器が使えなくなる可能性がある
現在、職場や家庭に設置されている周辺機器はWindows10までを想定した機械です。
下調べをせずにWindows11にアップグレードしてしまうと、プリンターなどが使えなくなってしまうことも。
また、パソコン内蔵のWi-Fiが動かなくなって一切インターネットに繋がらなくなるというトラブルも起こっています。
いずれもプリンターやWi-Fi(ネットワークカード)のメーカーがWindows11対応のドライバを公開していれば、それを再インストールすることで解決する可能性があります。
しかし、それらを調査したり試したりする手間がかかりますし、トライしたものの直らないという最悪のケースも起こりえます。
やはり、Windows11対応の新しい周辺機器が発売されるまで様子を見るのが妥当といえます。
ゲームの操作性が落ちる可能性がある
Windows11はゲーム性能の向上をメリットの一つとして挙げているので、ゲーマーとしては早くアップグレードしたいかもしれません。
しかし、それはWindows11に合わせた部品で組まれた、ハイスペックのパソコン本体との組み合わせという条件があります。
Windows10パソコンとして購入したパソコンをアップグレードでWindows11にすると、かえってゲームの動きがカクカクになることが多いです。
その他、ネットワークまわりや配信機材のトラブルも予測されるため、プロゲーマーや動画配信者ほど安易なアップグレードは避けています。
予期せぬ不具合が起きる可能性がある
上記以外にも、予期せぬ不具合というのが多々発生します。
Windows11をリリースするMicrosoftとパソコンメーカーが別会社であるため、相互の連携が万全ではないという事情によるものです。
同じMicrosoft製品であるにも関わらずOfficeの認証が取れなくなるというトラブルも発生しています。
WordやExcelが使用禁止になってしまうため、仕事や勉強への影響が甚大です。
解消するにはMicrosoftに電話で問い合わせて対応してもらうしかなく、その電話も繋がりにくい状況です。
Windowsの過去のバージョンである7・8・10へのアップグレードの際にも多数の不具合が発生しており、パソコンに詳しい人ほど安易なアップグレードは避けています。
予備のパソコンでアップグレードし、自ら「実験台」となって使い方を発信するパソコン上級者もいますが、アップグレードとはそれほどの犠牲が伴う作業という事です。
Windows11にアップグレードするメリットとは?
基本的にはWindows10から11へのアップグレードはおすすめしませんが、上記のデメリットや注意点を承知したうえで、Windows11のメリットが勝る場合は導入を検討しても良いかもしれません。
セキュリティが向上
Windows11は設計段階からセキュリティへの対応を強化しており、10に勝るメリットといわれます。
一方で、Windows10向けのパソコン本体では十分にWindows11が動かず、せっかくのセキュリティ機能がうまく働かないという指摘もあります。
ビデオ会議アプリ「Teams」が標準で使えるようになる
Windows11には標準機能として「チャット」というアプリがありますが、その実態は以前からあった「Teams」というアプリです。
(「チャット」を起動すると「Microsoft Teams」とタイトル部分に表示されます)
チャット機能やWeb会議は急速に広まっていますので、簡単に使えるのはメリットです。
しかし、「無料で使えるTeams」「Office365とセットのTeams」といくつか別バージョンが存在し、それぞれで少しずつ使い方が違うなど、ここでも分かりやすさを軽視するMicrosoftの悪癖が出ています。
Androidのアプリが使えるようになる
Windows11上でAndroidアプリが動かせるようになるという機能が話題になっています。
アメリカでは2022年3月からすでに提供されており、日本を含む5か国でも2022年内の開始が予定されています。
Androidアプリは非常にバラエティに富んでいますので、これらがWindows11で利用できるようになるのは大きなメリットでしょう。
Windows11へアップグレードは2025年まで様子見でOK
Windows10は2025年まで問題なく使用できますので、焦ってWindows11にアップグレードする必要はありません。
2025年までの数年間で、パソコン本体・アプリ・周辺機器などがWindows11向けとして発売されますので、それらを購入すれば良いのです。
また、批判が起こっているWindows11の使いづらい機能が見直されるということも起こりますので、今は待つことが最善手といえます。
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