パソコンが壊れた時、同じようにお金を出すなら修理か買い替えかという問題があります。
一見すると修理して使えばいいように思われますが、近年では新品パソコンの価格が下がっています。買い替えてしまった方が金額が抑えられ性能も上がるのでかえって良いというケースもあります。
この記事ではパソコンが壊れた場合は修理と買い替えどっちがお得?という疑問をケース別に解説していきます。
パソコンの寿命はどう判断する?HDDは3~4年で壊れる可能性が高い
パソコンの修理と買い替えのラインを引く場合、最も重要な判断基準である「パソコンの寿命」について、いくつかの観点から解説します。
部品の寿命で判断するなら3~4年
各部品の寿命の目安と、パソコン全体の買い替え時期について解説します。
HDDの寿命が3~4年
パソコンの重要なパーツの一つに、Windowsやアプリ・自作のファイルや写真などのデータを保存するストレージ(HDDやSSDなど)があります。
上書きや読み取りなどのアクセスが頻繁で、パソコンの部品の中では比較的壊れやすいです。
HDDは現物のディスクを回転させ、その表面のデータを上書きや読み取りしていく機器であるため、使えば使うほど劣化が進んでいきます。
一日の使用頻度にもよりますが、HDDの寿命は概ね3~4年で、一般的にPCの寿命もそこが基準になります。
SSDはHDDとは仕組みが違いますが、機器としての耐久性をHDD基準で考えているパソコンメーカーが多いため、やはり3~5年を耐用年数に設定しています。
ストレージ以外の部品が無事であれば、HDDやSSDを入れ替えてWindowsを新規インストールすれば継続して使用できます。
しかし、それだけの手間をかけても使えるのは3~4年が経過した最新機種に劣るパソコンとなりますので「割に合わない」という判断から買い替えられることが多いのです。
参考:https://solution.fielding.co.jp/lp/hdd_recovery/column-2/
メモリ:HDD以外の部品はもっともつ
ストレージと並ぶ部品にメモリ(DRAM)がありますが、こちらの耐久性は10の15乗回の書き込み(一秒に一回書き込んで約3億年)とされており、半永久的に使えるものと考えてかまいません。
メモリは書き込みによる劣化よりも、熱暴走・静電気のショート・湿気による錆の発生など、外的な要因で故障が発生することが多いです。
メモリは安価なうえ交換が簡単な部品ですので、メモリ以外の部品が無事であることが明らかな場合はメモリだけ購入・交換するという処置が行われることが多いです。
参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/oubutsu/75/9/75_1080/_pdf
CPU:適切に使用していればまず壊れない
あくまでも個人的な経験によるものですが、パソコン修理店でのCPUの故障トラブルは過去に1・2件しかなく、10年以上使っているパソコンでも壊れた経験がありません。
一方で、CPUを冷却するファンなどの装置の故障を放置していると、熱暴走によりあっけなく故障し動かなくなるデリケートな部品でもあります。
マザーボード:経験上10年以上使えることが多い
こちらも個人的な経験によるものですが、マザーボードは10年以上使えることが多いです。
そもそもマザーボードは上記のCPU・メモリ・ストレージなどを差し込んでまとめるための基盤であり、マザーボードそのものにはパソコンの性能を左右する要素は少ないのです。
自作パソコンの使用者は、ずっと同じマザーボード・外部ケースを使い続け、その他の部品を必要に応じて入れ替えていくということをしています。
以上のことから、パソコンが壊れる=HDDが壊れると考えることができます。
HDDを新品に交換する手間をかければ3~4年は同じパソコンを使え、個人的な感覚としては7年以内であれば修理して持たせることが可能です。
その他の要素でも年数で判断するなら3~4年
企業が使用する法人向けパソコンの税制上の償却期間は4年ですので、法人向けパソコンの耐久性は4年を基準に考えられています。
(近年では個人向けの電子機器は2~3年程度での買い替えが主流になっていますので、税務署の考え方は古いという指摘もあります)
多くのパソコンメーカーでは、個人向けパソコンの有償保障は3年保障が割安な価格設定になっていることが多いので、経済的な観点では3年が買い替え時期と考えることもできます。
無償保証の半年~1年で捨ててしまうのはさすがにもったいないので、修理して使いたいところです。
性能不足を感じたら寿命という判断基準も
上記のような「機械が持つか」という判断基準もひとつですが、そもそも使用者自身にストレスがないかという観点も重要です。
特に日々使用するアプリがパソコンの性能不足で動きが悪くなっていると感じたら、立派な買い替え時期といえるでしょう。
同じアプリでも、アップデートで機能が追加されることによってパソコンの要求スペック(性能)が高まっていくケースもあります。
また、パソコンを動かす根幹のアプリであるOS(Windowsのこと)のサポート終了という問題もあります。
Windowsの場合、最新から一つ前のバージョンを持つユーザーには無償アップデートが提供されるものの、パソコンの性能によってはアップデート中にエラーが出て、その原因探しに多大な時間と手間を取られることがあります。
その労力をかけるくらいであれば、最新のWindowsがインストールされている新品に買い替えた方が早いという判断になります。
動きが怪しいパソコンは「動くうちに」修理か買い替えをする
パソコンの電源が勝手に落ちる、フリーズが頻発する、頻繁にエラーが表示されるといった故障の予兆が出ている場合は、「動くうちに」修理か買い替えをするという早期発見・早期治療が重要です。
他の家電と同じような感覚で「完全に動かなくなってから買い替えればいい」と考えていると、実際にパソコンが動かなくなったときに内部のデータが取り出せない状況になったり、忘れているパスワードの再発行が難しくなるなどの細かいトラブルが発生します。
いずれもパソコンを分解する、データ復旧サービスを利用するなど、お金や手間をかければ対処は可能です。ただ、できれば時間・費用ともに無用なコストをかけることは避けたいですね。
パソコンが壊れた場合は修理と買い替えどっちがお得?ケース別に解説
様々なケースでパソコンが壊れた場合は修理と買い替えどっちがお得かを解説していきます。
メーカー保証期間内:絶対に修理
保証期間内であれば修理料金は無料ですので、絶対に修理して使い続けるべきです。
人によっては自己判断や販売者の勧めで有償保障サービスに加入していることもあるでしょう。保障の期間内であれば修理に出さなければもったいないです。
3年以内:修理で十分
スマホだと3年位で買い替えることが多いです。
しかし、パソコンはスマホよりも構造が簡単で修理がしやすいため、まだまだ躯体も新しくもったいないという判断ができます。
故障個所が1か所程度であれば修理料金は1万円以内に収まることも珍しくありません。1万円で今までのパソコンが使い続けられることと、新品を5~10万円以上で購入することを考えると、まだまだ前者で頑張った方がお得と考えられます。
3年以上7年未満:CPUスペックに応じて修理か買い替えか判断がおすすめ
3年を超えてくると機器の故障が起こりやすくなるほか、パソコンのスペック(能力)が最新機種から大きく劣ってくるようになります。
判断基準として、部品のうちでも特にCPUが低スペックなら最新のパソコンに買い替えたほうがいいと考えられます。
高スペックでもったいないということなら修理がおすすめです。修理代金にもよりますが、修理してまだまだ使える時期でもあります。
7年以上:買い替えがおすすめ
7年以上使っているのであれば、さすがに古すぎるので買い替えが良いでしょう。
OS(Windows)はおおよそ発表から5年が過ぎるとサポートが終了しますので、Windowsの入れ替わりを2~3世代経験している7年超のパソコンは最新のWindowsに対応できなくなります。
サポートが過ぎたWindowsは、ウィルス感染やネットワーク侵入などの攻撃を直接受けてしまうリスクがあります。
スペックが低い古いパソコンはウィルス感染やネットワーク侵入の負荷のみで動かなくなったり、古過ぎてウィルスの方が「対応しておらず動作しない」ことすらある切ない状況が発生するなど、滅茶苦茶になります。
パソコンを使えない期間があると困る:買い替えがおすすめ
これについては機器側の良し悪しではなく、事情の問題なので必然的に買い替えとせざるを得ません。
しかし、十分動くパソコンが故障した場合は並行して修理し活用するようにしましょう。また故障が発生した時の予備機としたり、周囲の人に譲るなどいくつか選択肢があります。
性能不足(フリーズが多発・動作が重い):買い替えがおすすめ
主に使用しているアプリ上でフリーズが多発・動作が重いといったトラブルがある場合は、性能不足の判断からより高スペックのパソコンに買い替えましょう。
(アプリ問わずフリーズが多発・動作が重いという状況の場合、パソコンそのものの故障・寿命という別のトラブルの可能性が考えられます)
買い替えの際には、アプリが指定する推奨スペックを調べて余裕を持った性能のパソコンを選びます。
故障個所が多い・修理見積が高額:買い替えがおすすめ
修理の見積もりを取った時、故障個所が多く修理見積が高額な場合は買い替えの方が良いでしょう。良心的な修理業者では、業者側から買い替えを勧められることもあります。
修理費用が新品価格の50%を超えてくると買ってしまった方がお得という判断基準を設けているパソコン専門家もいます。ぜひ参考にしてください。
故障箇所が少ない・修理見積が低額:修理がおすすめ
上記とは逆で、故障箇所が少なく修理見積が低額で済む場合は修理して使い続けた方がお得です。
これはパソコンの使用年数にかかわらずで、古いパソコンでも1万円程度の修理でそこから1年ほど延命できれば十分元が取れると考えられます。
高額で高性能のパソコンだったので長く使いたい:修理がおすすめ
使用者自身の心が修理で決まってしまっていますので、修理がおすすめとするしかないでしょう。
かつて高額・高性能だったパソコンも、年数が経過すると最新の安価なパソコンにすらスペックで負けるようになります。故障も多発するようになるので作業効率も落ちていきます。
このケースの使用者はパソコン上級者と考えられますので、最終判断は自己責任で決定してください。
パソコンが壊れた場合は修理と買い替えどっちがお得?のまとめ
- 客観的な部品の寿命で判断すると3~4年が買い替え時期
- 使用年数が浅いパソコン(特に保証期間内)は修理がおすすめ
- 4~7年超の古いパソコンは故障が多発し最新のWindowsに対応できなくなるため買い替えがおすすめ
パソコンの修理・買い替えのボーダーラインは主に年数と修理価格での判断になりますが、使用にストレスを感じる・古いパソコンだが愛着があるなどの個々の事情によっても変わってきます。
ケース別の基準は一般論で設定していますので、ぜひ判断の参考にしてください。
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