Windows10には、他のパソコン遠隔操作する「リモートデスクトップ」という便利な機能があります。
遠隔操作されるパソコンのことを「ホスト(PC)」、遠隔操作するパソコンのことを「クライアント(PC)」と言います。
(例)会社のパソコンを自宅のパソコンから遠隔操作する場合
会社のパソコン:ホスト(PC)
自宅のパソコン:クライアント(PC)
ただし、ホスト(PC)になれるのは業務用のWindows10 Proであり、一般家庭用として売られているWindows10 Homeではクライアント(PC)にはなれてもホスト(PC)になることができません。
そこで「RDP Wrapper Library」の登場です。
「RDP Wrapper Library」というアプリを使うことで、Windows10 Homeでもホスト(PC)にすることができます。
つまり、会社のパソコンがWindows10 HOMEであっても、「RDP Wrapper Library」を使うことで、自宅のパソコンから遠隔操作(ソフトを使ったり、データを移動・コピー)することができるのです。
それでは、この大変便利な「RDP Wrapper Library」のインストール方法、最初の設定方法を画像つきで解説していきたいと思います。
目次
「RDP Wrapper Library」をダウンロード・インストールする
まずはホストにしたいパソコンに「RDP Wrapper Library」をインストールしましょう。
※ホストにしたいパソコンで操作してください。
公式サイトから「RDP Wrapper Library」をダウンロード
公式サイトから「RDP Wrapper Library」をダウンロードします。
RDP Wrapper Library(公式サイト):https://github.com/stascorp/rdpwrap/releases

公式サイト
画面を少し下に移動させ、「RDPWrap-v〇〇.zip」(〇〇は時々で違う数字になります)をクリックします。
ご利用のブラウザがMicrosoft Edgeの場合は、画面下側にファイルをダウンロードするウィンドウが表示されます。
(その他のブラウザでも画面下部や中央に案内が表示されます)
保存の隣にある三角マークをクリックし「名前をつけて保存」をクリックします。

RDPWrap-v〇〇.zipをクリックして名前を付けて保存
今回は分かりやすいように、デスクトップを選んで保存します。

デスクトップを選んで保存
ダウンロードしたファイルを使ってインストール
ダウンロードしたファイルを右クリックし、「すべて展開」をクリックします。

ファイルを右クリックしすべて展開
「展開」をクリックします。

展開
「RDPWrap-v〇〇」というフォルダが出現しますので、ダブルクリックして開きます。

展開で出現したフォルダをクリック
「install」というファイルをダブルクリックします。

installをクリック
黒いウィンドウが出てきて驚くかもしれませんが、これで正常にインストールは進んでいます。

インストールが進んでいきます
一通り終わると「続行するには何かキーを押してください」と表示されますので、キーボードのEnterを押します。
すると黒いウィンドウは自動的に閉じます。

何かキーを押してくださいでEnterキーを押します
続けて「update」というファイルをダブルクリックします。

updateをクリック
同じく黒いウィンドウが表示されますが、作業はほぼ一瞬で終わります。
「続行するには何かキーを押してください」と表示されますので、キーボードのEnterを押し、黒いウィンドウを閉じます。

何かキーを押してくださいでEnterキーを押します
接続の確認を行う
これでインストールは完了です。
リモートデスクトップが使えるかどうかの確認作業を行います。
「RDPConf」のチェック
インストールで使ったフォルダを引き続き利用します。
「RDPConf」というファイルをダブルクリックします。

RDPConfをダブルクリック
小さな設定画面が出てきますが、いくつかの項目が赤字で表示されていると思います。

チェック項目の中に赤字があります
この状態ではうまくリモートデスクトップは使えません。
ここから、追加で必要なファイルをコピーする作業を行っていきます。
- Windows10の裏で作動しているサービス(小さなアプリのようなもの)を一時停止させる
- 必要なファイルをダウンロード、コピー、貼り付けする
- Windows10を再起動し、コピーしたファイルを活動させる
という手順を踏みます。
サービスの一時停止
スタートボタンにマウスを合わせて右クリックすると、左クリックとは違うメニューが表示されます。
「コンピュータの管理」をクリックします。

スタートボタンの上で右クリック→コンピュータの管理
画面左のリストから「サービスとアプリケーション」「サービス」の順でクリックします。

サービスとアプリケーション→サービス
画面右に表示されるリストから「Remote Desktop Service」を右クリックし、「停止」をクリックします。

Remote Desktop Serviceを右クリック→停止
必要なファイルをダウンロード、コピー、貼り付けする
続いて、公式サイトから必要なファイルをダウンロードします。
こちらのリンクを右クリックし、「名前を付けてリンク先を保存」をクリック、デスクトップ等に保存してください。
※間違えて左クリックした場合には良くわからないページ(設定ファイルの中身)が表示されますが、害はありませんので安心してください。
https://raw.githubusercontent.com/affinityv/INI-RDPWRAP/master/rdpwrap.ini
ダウンロードした「rdpwrap」を右クリックし、「コピー」をクリックします。

rdpwrap.iniを右クリック→コピー
エクスプローラか適当なフォルダを開き、左のリストから「Windows(C)」「Program Files」「RDP Wrapper」の順でフォルダを開いていき、画面右のフォルダの中身に右クリックで「貼り付け」をします。

Windows(C)→Program Files→RDP Wrapperの順でフォルダを開き、貼り付け
すると警告が表示されますので、「ファイルを置き換える」をクリックします。

ファイルを置き換える
別の警告が表示されますので、「続行」をクリックします。

続行
これで設定自体は完了になります。
パソコンの再起動
設定を反映させるために、パソコンを再起動させてください。
再起動したら、しっかり設定ができているか確認しましょう。
再度「RDPWrap-v〇〇」フォルダを開き、「RDPConf」をダブルクリックします。

RDPConfをダブルクリック
全てが緑字で表示されていれば設定がうまくいった証拠です。

チェック項目が全て緑字になりました
これでホスト(PC)として、リモートデスクトップが使えるようになっています。
「RDPConf」の注意点
先ほど解説したリンク、
https://raw.githubusercontent.com/affinityv/INI-RDPWRAP/master/rdpwrap.ini
は、この記事を掲載した時点で提供されていた設定ファイルです。
これはマイクロソフトがWindows10の更新を行うごとに修正が必要なもので、アプリ開発者も都度作り直してるようですが、時期によっては効果がなくなっている可能性があります。
RDPConfの全項目が緑色にならない場合、ここから先の作業は行えず、諦めるしかなくなってしまいます。
その場合は、この後で解説している別の方法を使うなどしてください。
ホスト(PC)になっているかをチェックする
ちゃんとホスト(PC)になっているかをチェックしておきましょう。
先程のフォルダ内にある「RDPCheck」というファイルをクリックします。

RDPCheckをクリック
リモートデスクトップ接続というウィンドウが表示されます。
「接続」をクリックします。

接続
ウィンドウの中に「今作業を行っているこのパソコン」のサインイン画面が表示されます。
(画像では白塗りにしていますが、ユーザー名が表示されます)

パソコンのサインイン画面が表示されます
ここまで到達したら、別のパソコンからリモートデスクトップで接続できる(ホストPCになれる)ようになっています。
ちなみにこれはあくまで確認用の画面なので、この画面でサインインしようとしても失敗してしまいます。
リモートデスクトップを使う
それでは早速リモートデスクトップを使ってみましょう。
繋げられる側と繋げる側、それぞれの操作の手順を追っていきましょう。
繋げられる側(ホスト):コンピュータ名を控える
ここまでの解説で「RDP Wrapper Library」のアプリをインストールした、繋げられる側のパソコンの操作です。
スタートボタンをクリックし、「Windowsシステムツール」の中にある「コントロールパネル」をクリックします。

コントロールパネル
「システムとセキュリティ」をクリックします。

システムとセキュリティ
システムの近辺にある「コンピュータの名前の参照」をクリックします。

コンピュータの名前の参照
表示されたリストの中から、「コンピュータ名」横に書かれている名前(画像では「DESKTOP-FDOKOFM」のこと)を控えるか、接続する相手に教えます。
また、パソコンにサインインする為の「ユーザー名」と「パスワード」も教えておく必要があります。

コンピュータ名を控える
繋げる側(クライアント):リモートデスクトップ接続をする
ここからは繋げる側のパソコンの説明に移ります。
「スタートボタン」「Windowsアクセサリ」「リモートデスクトップ接続」の順番でクリックします。

スタートボタン→Windowsアクセサリ→リモートデスクトップ接続
リモートデスクトップ接続のウィンドウが表示されます。
先ほど控えたホスト(繋げられる側)の「コンピュータ名」を入力し、「接続」をクリックします。

リモートデスクトップの画面で控えたコンピュータ名を入力して接続
RDP Wrapper Libraryを使って無理矢理に設定した為、警告が出る場合があります。
「はい」をクリックします。

はい
ウィンドウの中にホストPC(繋げられる側)のサインイン画面が表示されました。
(画像では白塗りにしていますが、ユーザー名が表示されます)

Windows10のサインイン画面が表示され、遠隔操作で使用できます
パスワードを入力すると、ホスト(繋げられる側)のコンピューターを使えるようになります。
遠隔操作を行う別の方法
「RDP Wrapper Library」以外の方法でリモートデスクトップを使う方法を紹介します。
Windows10 Proを買う
RDP Wrapper Libraryを使った方法はWindows10 Homeの更新が入るたびに対応を求められ、手間が掛かります。
リモートデスクトップを頻繁に使うのなら、最初からWindows10 Pro搭載のパソコンを購入した方が良いです。
TeamViewerを使う
リモートデスクトップと似たような使い方ができる「TeamViewer」というアプリをインストールして使う方法もあります。
基本的な機能は無料で使うことができます。
「TeamViewer」については別の記事でご紹介しています。
まとめ
Windows10 Homeでもリモートデスクトップを使う方法を解説してきました。
設定は少し難しいですが、遠隔操作の環境を整えれば非常に便利に使えます。
他の方法とも見比べて導入を検討してみてください。
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