すべてのCookieを受け入れるとは?許可を出すメリット・デメリット・取るべき行動を解説します

スマホやパソコンでインターネットを利用していると「すべてのCookieを受け入れる」設定や、Cookieの許可を求められる表示を目にすることがあります。

すべてのCookieを受け入れる許可をブロックした場合、自動ログイン検索候補や買い物かごの利用個人の趣向に合わせた情報の表示といったインターネットの基本的な機能を利用できなくなり、サイトによっては閲覧そのものが困難になるため、一般的には許可すべき設定です。

一方で、個人情報・行動情報・支払情報などが記録されてしまう結果になるため、なりすまし個人の特定に利用されてしまう原因となるほか、一度アクセスした情報が「個人の趣向」として記録され望まない広告やおすすめ情報が表示されてしまうデメリットもあります。

図書館やネットカフェなどの不特定多数が利用するスマホ・パソコンでは、あえてCookieをブロックするという選択のほうがいいでしょう。

この記事では「すべてのCookieを受け入れる」とは何かについて、Cookieのメリット・デメリット、許可を求められた場合に取るべき行動などを解説していきます。

Cookieのメリットとデメリット

目次

Cookieとは?許可するメリットとデメリットを解説

Cookieとは、スマホ・パソコン内にある、インターネットを利用しているユーザーの個人情報・行動情報・支払情報などを記録するファイルです。

一度入力したIDやパスワードのほか、現在位置や行動履歴・閲覧した情報・購入した商品などを記録しています。

慎重に考えればこういった情報を記録していくことはリスクとも考えられますが、そもそもCookieをブロックするとログインして利用するSNS・ネットバンキング・ショッピングサイトなどが利用できないため、一般的には許可すべき設定です。

Cookieを許可するメリット

ネットバンキングへのログインにもCookieが必要
ネットバンキングへのログインにもCookieが必要

Cookieを許可するメリットは多数あり、インターネットを利用する際は原則として許可が必須と考えた方が良いでしょう。

自動ログインを利用できる

SNS・ネットバンキング・ショッピングサイトなどにログインする際のID・パスワードをCookieに記録することで、2回目以降はIDやパスワードを入力をすることなく利用(ログイン)できます。

(サイトによってはセキュリティの観点から一定期間でパスワードのみ再入力を求めることがあります)

そもそもCookieをブロックしている状態ではこのようなサイトにログインすらできないというケースも発生するため、インターネットを利用する以上はまずCookieの許可が必須であると考えられます。

検索サイトの検索候補やショッピングサイトの買い物かごを利用できる

検索サイトで頻繁に検索するキーワードが保存されるような働きも、Cookieの記録によるものです。

また、ショッピングサイトの「買い物かご」の記録にもCookieを利用している為、Cookieをブロックしていると買い物が不可能になってしまうトラブルも発生します。

個人の趣向に合わせた情報(広告)が表示される

閲覧した情報や位置情報などから、個人の趣向に合わせた情報(現在地の天気・興味があるジャンルの記事など)が表示されるのも、Cookieの記録によるものです。

たまに他人のスマホやパソコンを借りると、同じサイトを利用していても表示される情報が全く違うことに驚くでしょう。

大手のSNSやサイトを中心に、個人の趣向に合わせた情報が表示されるように設計されたサイトは多くあります。

これは親切であるのと同時に、常に偏った情報が提供されるという側面があり、メリットであると同時にデメリットであると考えることもできます。

Cookieを許可するデメリット

Cookieはユーザー向け広告にも使用される
Cookieはユーザー向け広告にも使用される

メリットで挙げた個人情報・行動情報・支払情報が記録されるということは、場合によってデメリットになってしまうことがあります。

なりすましに利用されてしまう

自動ログインをしたままのスマホやパソコンを他人に操作されると、あなたのアカウントで情報発信や買い物ができてしまう「なりすまし」が可能となってしまいます。

学校や職場、図書館やインターネットカフェなど不特定多数の人物が利用するスマホやパソコンでは、ログインして利用するサイトは利用しない・Cookieをブロックした状態で利用するといった工夫が必要です。

個人の特定に利用されてしまう

Cookieに記録された情報は通常は簡単に読め取れないようになっていますが、知識がある人間が専用のツールを利用するなどして中身を知ることは可能です。

たとえば、警察がインターネットカフェのパソコンを解析して犯罪者の行動を割り出すといったことも行われています。

不特定多数の人間が利用するスマホやパソコンでログインをしたり、個人所有のスマホやパソコンが盗まれたりした場合に、Cookieに記録された個人情報・行動情報・支払情報が特定されてしまうリスクが付きまといます。

一度アクセスした情報が「個人の趣向」として記録されてしまう

Cookieには一度アクセスした情報が記録されてしまうため、仕事や勉強の為に一時的に調べた、本来は興味のないジャンルが「おすすめ情報・商品」として表示されてしまうことがあります。

このような状況を避けるには、仕事とプライベートで利用する端末・アカウントを完全に分けるようにすると良いでしょう。

すべてのCookieを受け入れるに許可をする・しないの判断基準や取るべき行動を解説

すべてのCookieを受け入れる設定は一般的には許可すべきですが、場面によっては一部や全部をブロックした方が良いケースがあります。

ここでは判断基準や取るべき行動について解説していきます。

すべてのCookieを受け入れる許可をしないと多くのサイトが利用できなくなる

ショッピングサイトの利用にはCookieが必須となる
ショッピングサイトの利用にはCookieが必須となる

Cookieをブロックした場合、ログインする必要があるSNS・ショッピングサイト・ネットバンキングといったサイトが利用できなくなってしまうことがあります。

すべてのCookieを受け入れる設定は、原則として許可するものと考えて差し支えありません。

個人所有のスマホ・パソコン以外では許可しない(ブロックする)設定もおすすめ

警視庁の注意喚起
警視庁の注意喚起

一方で、学校や職場、図書館やインターネットカフェなど不特定多数の人物が利用するスマホやパソコンでは、Cookieに保存された個人情報・行動情報・支払情報を元に個人が特定される恐れがあります。

なりすましやクレジットカードの不正利用といった実害に繋がることもあります。

こういった被害を防ぐ方法としては、インターネット利用時にCookieをブロックする・利用後にCookieを削除するという選択もありますが、スマホやパソコンの機種・搭載ブラウザによって設定方法が千差万別のため現実的ではなく「設定したつもり」でも万全ではないかもしれません。

確実なのは、ログインするタイプのサイトは公共の端末では利用しないことです。

なお、大手のインターネットカフェなどでは、パソコンの電源を切るたびにデータが全て消去されるように設定されていることが多いですが、絶対安全とは言えないため、検索やゲストアカウントでの動画視聴くらいを目的として利用しましょう。

「サードパーティのCookie」のみを許可しない(ブロックする)設定ができる

Chromeでは大手サイトで使用されるCookie(ファーストパーティのCookie)と、無名のサイトやアプリなどが使用を求めてくる「サードパーティのCookie」を区別して扱っています。

「サードパーティのCookie」はブロックしても実際の使用感への影響が少なく、Chromeなどいくつかのブラウザでは設定画面でこちらのみをブロックすることもできます。

サードパーティのCookieの特徴

  • 現在利用しているサイト以外のドメイン(アドレス)から発行されている
  • 複数のサイトに渡って情報(アクセス履歴・購入履歴など)の記録を行う

サードパーティのCookieの利用例

  • 「リターゲティング広告」収集した情報を元に個人の嗜好に合った広告を表示する
  • 「アフィリエイト広告」ユーザーが広告をクリック・アクセスした経緯を広告配信企業が把握し、広告の設置者に報酬を支払う目的で利用する
  • 「広告の効果測定」「アトリビューション分析」アフェリエイト広告でも利用されているユーザーのアクセス経緯を、広告の広まりなどの効果を調べる目的で利用する
  • 「ソーシャルログイン」Google・LINE・Xなどの大手SNSのログイン状況を、零細サイトのID・パスワード代わりとしてログイン用ユーザー情報に利用する仕組み

以上の個人情報・行動情報・支払情報は各々のユーザーの意思で保護されるべき情報という考えが広まっており、iOSやAndroidなどのスマホのシステムでは、標準機能でこれらの情報を提供する・しないの選択が行えるようになっています。

(その点をセキュリティのアピールポイントとしてコマーシャルの映像で宣伝していることがあります)

一方で、サードパーティのCookieはインターネット利用の利便性に繋がることや、ソーシャルログインのような便利な仕組みを利用できるなどのメリットがあります。

どうしても気になるユーザーは以下のような手順でブロックする設定を行えますが、忘れた頃に「〇〇ができない」というトラブルの原因になる設定でもありますので、自分でトラブルを解決する自信のないユーザーはブロックしないことをおすすめします。

サードパーティのCookieをブロックする手順
STEP
「…」「設定」をクリックする
「…」「設定」をクリックする
「…」「設定」をクリックする

Chromeの画面右上の「…」ボタンをクリックします。

表示されるメニューから「設定」をクリックします。

STEP
「プライバシーとセキュリティ」「サードパーティCookie」をクリックする
「プライバシーとセキュリティ」「サードパーティCookie」をクリックする
「プライバシーとセキュリティ」「サードパーティCookie」をクリックする

左側リストの「プライバシーとセキュリティ」をクリックします。

右側に表示される「サードパーティCookie」をクリックします。

STEP
「サードパーティのCookieをブロックする」にチェックを入れる
「サードパーティのCookieをブロックする」にチェックを入れる
「サードパーティのCookieをブロックする」にチェックを入れる

「サードパーティのCookieをブロックする」にチェックを入れます。

Cookie以外にも個人情報・行動情報・支払情報が漏洩する原因があるため注意する

「Windows Defenderセキュリティセンター」の詐欺広告の例
「Windows Defenderセキュリティセンター」の詐欺広告の例

個人情報・行動情報・支払情報の漏洩はCookieも原因となりえますが、それ以上に警戒すべきは公共のスマホ・パソコンに自分の情報を残してしまったり、スマホ・パソコンそのものを盗まれて他人に情報を見られてしまう状況を作り出してしまうことです。

また、手元で使用中のスマホ・パソコンについてもCookieに情報を記録することそのものに危険性はないものの、このような内部情報を盗む挙動をするウィルスやマルウェアが存在することは大きなリスクです。

近年では嘘の広告や警告を表示し「解決用のアプリをインストールしてください」と誘導してウィルスやマルウェアを仕込む詐欺が横行しています。

テクノロジーによる攻撃よりも、こういった人間の心理につけこむ攻撃の方が被害件数は多いです。

詐欺情報を警戒し騙されないという視点も重要です。

すべてのCookieを受け入れるとは?のまとめ

すべてのCookieを受け入れるとは?のまとめ
  • ログインが必要なサイトを利用する場合は、すべてのCookieを受け入れる設定にする
  • 不特定多数が利用するパソコンなどは、Cookieをブロックするか、ログインが必要なサイトを利用しない
  • Cookie以外にも個人情報・行動情報・支払情報が漏洩する原因があるため注意する

スマホやパソコンを利用していると、十分な説明がないまますべてのCookieを受け入れる設定の許可・不許可を求められることがあります。

当記事の内容を参考にCookieの安全性と危険性を理解し、必要に応じてすべてのCookieを受け入れる設定を許可するようにしましょう。

名古屋市のパソコン修理サポート専門店かおるやでした。

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この記事を監修しています

パソコン修理屋「かおるや」の代表です。
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※パソコン修理サポート「かおるや」は株式会社Cadenzaが運営しております。

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