インターネットを多く利用するならスマホのデータ通信(俗称で「ギガ」と呼ばれるもの)では高額なので、安価で利用できるインターネット回線を別で用意すると良いでしょう。
しかし、インターネット回線のサービスは多様化・複雑化しており、どれを選べば良いのか迷ってしまいますね。
今回はインターネット回線の種類を整理・まとめて解説していきます。
よく聞かれる光回線・ホームルーター・ポケットWiFi・WiMAXなどについて解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
回線の形態の違いで分かれる
インターネット回線の会社やサービスは無数にあり、それぞれに独自の商品名を付けているのでどれがどれだか分かり辛いです。
しかし、大まかに「形態」に注目すると、3つにまで絞り込むことができます。
- 固定回線
- ホームルーター
- ポケットWiFi
以降は、3つの形態ごとに解説を行っていきます。
固定回線とは?
固定回線は、屋外から建物内に配線を引き込んでインターネット通信をする形態です。
引き込む回線は光回線・電話回線・ケーブルテレビ回線などいくつかありますが、契約した会社から作業員が来て工事をすることは共通です。
最初の手続きは少し面倒ですが、他の形態に比べて安価であることと、通信品質が安定していることなどにメリットがあります。
ホームルーターとは?
ホームルーターは、建物の決まった場所に設置した親機に、LANケーブルやWiFiで接続してインターネットを使う形式です。
ホームルーター親機とインターネットを繋ぐ手段は実はスマホと同じ仕組みで、電波で接続しています。
(固定回線には及ばないものの)料金が安いこと、面倒な工事が不要という利点があります。
また、コンセントから直接電源を取るので充電時間を気にしなくても良いこと、速度の速さ・同時に接続できる機器の多さなど、スマホや後述のポケットWiFiと比べて高性能です。
ポケットWiFiとは?
ポケットWiFiはスマホ大の機器が親機となり、WiFIで接続してインターネットを使う形式です。
スマホ1台で全てが完結するのなら不要なのですが、インターネット契約をしていないパソコンやタブレットなどを利用する場合は、ポケットWiFiがあれば出先でもインターネットを使って仕事や勉強ができます。
また、スマホをポケットWiFiに繋げて利用すると、スマホ側の料金の節約にもなります。
ポケットWiFiの仕組みはスマホとほぼ同じなのですが、電話の契約が不要であることで料金プランも軒並み安くなっています。
WiMAXとは?
ポケットWiFiの話題で目にすることがある言葉に「WiMAX」というものがありますが、「WiMAX」という特殊な機械があるわけではありません。
「WiMAX」と対になる存在は、携帯電話回線(ドコモ・au・ソフトバンク他)ということになります。
「携帯電話回線のポケットWiFi」と「WiMAXのポケットWiFi」がそれぞれあるというイメージです。
現在ではほぼ同じような存在になっている携帯電話回線とWiMAXですが、成り立ちに少し違いがあります。
携帯電話回線は文字通り音声通話の延長でインターネット通信が発達していったのに対し、WiMAXは有線接続が一般的だったインターネットを電波で利用するために発達していったサービスです。
現在でもインターネット接続という点ではWiMAXに一日の長があり、同じポケットWiFiでもWiMAXの方に安価・高速のサービスが多いです。
固定回線の種類とメリット・デメリット
固定回線を契約したい時の取り扱い企業、メリット・デメリットを解説してきます。
固定回線の種類について
固定回線の取り扱い企業は多く分かりづらいですが、大まかには2~3種類にまとめられます。
光回線(NTT東日本・西日本とそれ以外)
光ファイバーという通信速度が速い回線を利用した通信は「光回線」と呼ばれ、現在のインターネット向け固定回線の主流です。
取り扱い企業・サービス名が多く複雑に思えますが、大元の光回線の管理はNTT東日本・西日本の2社が担当しており、それ以外の企業はNTTから借りた光回線の使い方を工夫して料金やサービスの差を作っているという構造です。
ゆえに、ソフトバンク光・NURO・ガス会社の光回線などに申し込んでも、開通工事にはNTTの作業員が来るという状況が発生します。
大元が同じなので品質も変わらないと思いきや、会社によって料金プラン・繋がりやすさ・トラブルが起こったときの連絡のしやすさなど、色々とサービスの差があります。
NTT東日本・西日本と直接契約すればシンプルですが、料金の割引など他社にもメリットがあります。
ケーブルテレビ
ケーブルテレビがテレビの情報を送信している回線を利用し、インターネットも使えるようにするというサービスです。
後述のADSLなど電話回線を利用したインターネット通信が主流だった時代には、群を抜いた価格・速度・安定性を誇っていましたが、現在は全てにおいて光回線にはかないません。
ケーブルテレビ契約のついでにそこそこの品質の固定回線を使えるという判断であれば、価格面のメリットがあるかもしれません。
ADSL(現在は新規申し込み終了)
かつて電話回線の主流であった「アナログ回線」で、音声通話で使用していなかった周波数を利用してインターネット通信のサービスを提供していたのがADSLです。
NTT東日本・西日本ひいては国の方針として、アナログ回線を光回線に置き換えていく作業が進んでいます。ADSLの新規申し込みは終了しており、現在利用されているサービスも廃止の流れとなっています。
(NTT東日本・西日本の光回線が提供されている地域では2023年1月31日に終了)
現在もADSLを利用しているという家庭では、光回線やケーブルテレビ・ホームルーターなどへの変更を検討しましょう。
固定回線のメリット
- 価格が安い(たくさん使っても定額)
- 速度が速い
- 電波に比べて品質が安定している
固定回線は毎月の料金が安く、通信速度が出やすいというメリットがあります。
また、電波を使っているわけではないので通信の途切れが少なく「安定している」という評価がされます。
例えば、常に大量のデータを送受信し、途切れが死活問題となるプロゲーマーは固定回線を好むと言われます。
固定回線のデメリット
- 工事の手間があり、使用開始まで待たされる
- 外出中は使えない
- 隣近所で通信速度の取り合いが発生することがある(地域回線・マンションタイプなど)
固定回線は工事必須であるため、工事が終わるまで使えないというのが最大のデメリットです。工事の時には誰かが家に居て立ち合う必要があり、忙しい家庭では難しいこともあります。
また、安価なプランでは隣近所で回線を共有しているような場合があり、夜間など多くの人がインターネットを使う時間には速度低下や途切れが発生することがあります。
特にマンションタイプ(集合住宅タイプ)などは月額料金が安く設定されていますが、その代わりに同じマンションの住人と通信速度の取り合いが発生します。
(回避策として、マンションでも自室専用の回線を引き込むプランに加入し、特別な配線工事を入れる方法もあります)
このように注意点が多く、知識がないと分かりづらいというのが固定回線の最大のデメリットかもしれません。
ホームルーターの種類とメリット・デメリット
ホームルーターを契約したい時の取り扱い企業、メリット・デメリットを解説してきます。
ホームルーターの種類について
ホームルーターは細かい機種の違いなどはありますが、サービスを提供している企業は基本的に携帯電話会社になります。
ドコモのホームルーター
ドコモのホームルーターは他社より月額料金が高いのですが、最大速度が早いという個性があります。
しかし、インターネット回線における最大速度とは、周囲に他に使用している人がおらず電波状況も良いなど様々な好条件が重なった時に出る「ベスト記録」のようなものです。
ドコモ自己申告の最大速度の値をもって他社より優れているとは判断できない点は注意が必要です。
ソフトバンクのホームルーター
ソフトバンクのホームルーターは、他社より最大速度が低く、料金も目立って安いわけではないなど、大きなメリットの見えないサービスです。
営業活動が積極的なので利用者は多いのですが、解約時に機器代金の残債が一気に請求されてしまう点などの説明不足で度々トラブルが起こっており、お試しで使いたい・会社などで料金を計画的に払いたいというニーズには合致しません。
WiMAX(au)のホームルーター
WiMAXを取り扱うUQコミュニケーションはauと同じKDDIグループで、実際にauスマホとのセット割も提供しています。
毎月の料金が安い、通信速度も十分などバランスが良いです。
また、他社のホームルーターは契約した住所でしか使えませんが、WiMAXのホームルーターには場所の制限がなく会社や学校などに持ち出すことも可能という特徴があります。
持ち運びを考えるならポケットWiFiの方が優れていますが、何かの時に持ち出して使えるというのは十分なメリットでしょう。
WiMAXとは別に「au回線のホームルーター」の取り扱いもありますが、料金が高く場所の制限もあるなどわざわざ選ぶメリットはありません。
ホームルーターのメリット
- 工事なしで使える(申し込みから翌日~数日で利用開始できる)
- たくさん使っても定額料金
ホームルーターには工事がないため、申し込みをしてホームルーターの本体が届けばすぐに使用開始できます。
WiMAXやソフトバンクは申し込みから翌日~数日で本体が届くと約束していますが、ドコモやauは1~2週間であったり在庫がないと遅れるなどとアナウンスしており確認が必要です。
また、全社共通で定額料金ですので、スマホ料金のように使い過ぎを心配する必要がありません。
ホームルーターのデメリット
- 電波の悪い地域・建物では不安定になる
- 外出中は使えない、WiMAX以外は持ち出しもできない
- 月額料金以外に機器代が発生する
ホームルーターは電波を使った通信ですので、スマホの電波が入りづらい地域や建物では同じく不安定化します。
高層階や建物の中心部などは電波が入りづらいので、同じ建物内でも置き場所を工夫するだけである程度改善されることがあります。
それでも電波が弱い場合には、問い合わせることで補助の追加アンテナが提供されます。
WiMAX以外は契約した住所から持ち出せないのが残念ポイントですし、WiMAXも本体が大きいので持ち運びは大変です。
また、継続使用中はあまり意識されませんが、ホームルーターの本体代は裏側でしっかりかかっています。契約期間の途中で解約をすると本体代の残債の請求が一気に来てしまいますので、本体の価格や契約はしっかり確認しておきましょう。
ポケットWiFiの種類とメリット・デメリット
ポケットWiFiを契約したい時の取り扱い企業、メリット・デメリットを解説してきます。
ポケットWiFiの種類について
ポケットWiFiもホームルーターと同じく、サービスを提供している企業は基本的に携帯電話会社になります。
ドコモのポケットWiFi
ドコモのポケットWiFiは本体代も月額料金も高く、わざわざ選ぶメリットはありません。
ソフトバンクのポケットWiFi
ソフトバンクのポケットWiFiは本体代も月額料金も高く、毎月50GBの制限まであるなど条件が悪いです。
キャッシュバックキャンペーンなどでWiMAXの価格に近付けてはいますが、色々な契約の縛りを加えてまでわざわざ選ぶメリットはありません。
WiMAX(au)のポケットWiFi
WiMAXの回線を利用したポケットWiFiは他の大手2社よりも月額料金が安く、ポケットWiFiを選ぶならWiMAXの価格が一つの指標になります。
その他、大手以外の企業が独自のポケットWiFiを提供していますので、口コミなどを参考に使ってみてもいいでしょう。
WiMAXは、最大手の安心感と最大容量が無制限という点がメリットです。
一方で零細のポケットWiFiは本体をレンタル扱いで利用できるところが多いため、短期で使いたい場合にWiMAXよりも有利ですし、使ってみて満足であればそのまま継続利用してもOKです。
ポケットWiFiのメリット
- 外出先に持ち運んで使える
ポケットWiFiは、固定回線やホームルーターと比べて料金や安定性のメリットは一段下がりますが、最大のメリットは持ち運んで使えることでしょう。
特に使用者が一人だけの場合は、移動できない固定回線やホームルーターよりも小回りがききます。
ポケットWiFiのデメリット
- 電波の悪い地域・建物では不安定になる
- 料金が高めで、定額料金ではない・最大容量が決まっていることがある
- 月額料金以外に機器代が発生することがある
ホームルータと同様に、通信手段が電波であることで安定性に不安が残ります。
高層階や建物の中心部などは電波が入りづらいので、同じ建物内でも置き場所を工夫するだけである程度改善されることがあります。
定額料金か・最大容量が決まっているか・機器代の分割支払いがあるかなどの諸条件は事前に確認しておく必要があります。
機器代については、レンタルという形式で短期利用に特化しているサービスもありますので、利用期間や目的に合わせて選びましょう。
どのインターネット回線がおすすめ?失敗しない選び方とは?
複数のインターネット回線について特徴を解説してきましたが、それを踏まえてどれを選ぶと良いかについてアドバイスをしていきます。
インターネット回線の失敗しない選び方
失敗しないインターネット回線の選び方で大切なのは、料金だけで判断せず事前に希望や目的をはっきりさせることです。
持ち運びが多いのに安さで固定回線やホームルーターを選んでしまうと失敗しますし、逆にほとんど持ち運びがないのに(外出中はスマホで十分なのに)ポケットWiFiを選んでしまうと料金が高く品質がいまいちなインターネット環境になってしまいます。
固定回線がおすすめの人
- データの送受信を大量に行う人(動画視聴・オンラインゲーム・仕事のデータなど)
- 家族や社員が多い、インターネット接続する機器が複数ある人
- インターネット回線に安さや安定性を求める人
- 持ち家など当面の引っ越しがない人
固定回線の魅力は、品質の高い通信が安価で行える点です。
定額料金ということもあり、使用人数や台数が多く大量のデータを扱う場所ではよりコストメリットが出るでしょう。
ホームルーターがおすすめの人
- データの送受信を大量に行う人(動画視聴・オンラインゲーム・仕事のデータなど)
- 家族や社員が多い、インターネット接続する機器が複数ある人
- 工事の手間を避けたい・建物に配線工事を加えたくない人
- 賃貸物件・住み替え・転勤など引っ越しが予想される人
ホームルーターのメリットは固定回線と似ていますが、工事不要という部分が大きな違いです。
有線に比べると安定性は落ちてしまいますが、引っ越しや移転が予想される場所では固定回線を引くよりもホームルーターの方が小回りがききます。
ポケットWiFiがおすすめの人
- 外出先でインターネットを使いたい人
- 独身者など使用人数が少ない・一人だけ
ポケットWiFiは価格や品質・容量制限など、固定回線やホームルーターに比べると劣る部分が出てきます。
しかし、使用者が一人で持ち運びが多いという状況下では、スマホ代を節約できることも含めてトータルでは安く使えることがあります。
インターネット回線の種類と選び方のまとめ
インターネット回線の種類と選び方を解説しました。
できるだけシンプルな記事を心がけましたが、結果的には注意事項が多く複雑な内容になってしまっていると思います。
固定回線・ホームルーター・ポケットWiFiは「どれが一番良い」とは言い切れず、使う人の希望や目的によって最適なサービスが変わってくるのです。
当記事の内容をインターネット回線選びの参考にしてみてください。
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